寒い朝、最初の一歩がぎこちない ― ヨガがほどく“こわばり”の理由
起きたばかりの体は、年齢のせいだけではなく環境とからだの仕組みの影響を強く受けています。冷えで血管はぎゅっと細くなり、関節の中を潤す液体は少しだけ重く、とろりとします。長く動かなかったあいだに、筋膜の水分は偏り、繊維同士が軽く貼りついたような手触りに。さらに寒さに備える本能で、胸はすぼみ、呼吸は小さく、屈む筋肉に力が入りがち――これらが重なると、朝いちばんの“ぎくしゃく”が生まれると言われています。
ヨガが得意なのは、ここにやさしい循環を戻すこと。
ゆっくりと関節の角度を行き来する動きは、いわば関節のポンプ。滑液が行き渡り、表面の滑りが良くなって、最初の数歩で感じる初動抵抗がほどけていきます。小さなうねりのあるリズムで背骨や肩を動かすと、筋膜の水分が再配分され、繊維の間に余白(すべり)が戻ります。強く伸ばすより、“ほどよく動かす”が効くのは、この潤す→ほどくの順番が守られるからです。
吐く息を少し長めにすると、胸郭や横隔膜が動き出すことで内側から温まり、首肩の無駄な踏ん張りが抜けやすくなります。
もうひとつの鍵は、骨盤まわりや中臀筋などの体の土台にそっと力を入れる(等尺性)刺激が入ると、私たちの体は 「あ、ここで支えられる」 と安心しやすくなります。
これは、筋肉を狙って使いやすくなることで、 その後のトレーニングや日常動作の中で、 その筋肉が育ちやすい環境を作ると考えられています。
いわば“眠っていたスイッチを思い出す”ようなもの。 土台が静かに働き始めると、上半身は過度に固めて踏ん張らなくてもよくなり、肩や首の緊張がすーっと落ち着く感覚が生まれます。
ヨガの短い保持や姿勢を整える動きは、“強く鍛える”というより、体の中に「ここに支えがあるよ」という安全信号を増やしていく作業。
その積み重ねが、寒い朝でもスムーズに動ける体へと導いてくれます。
くしびきヨガスタジオの講師Harunaは25歳の時にヨガをやり始めて、特に「支え」の気づきがあったと思いました。
運動神経は良い方でしたが、運動も日常生活の動きも手足でバタバタ動いていたのが、体の安定する中核部に意識が向いたことで、むくみ解消・体が驚くほど軽く感じるようになり、スムーズな動きで過ごすことができています。
ヨガって面白い!
私の体って面白い!
体験って面白い!
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